数字から見る「がん治療」の今

知っておきたい がん検診の受診が治るための第一歩

患者さん本人だけでなく、ご家族や友人などががんに罹患(りかん)して、「日本人の2人に1人ががんになる時代」を実感している人は少なくない。
その一方で、近年、新たな治療法の開発や検診率の向上で治療成績が上がっているのも確かだ。
がん研有明病院の武藤徹一郎名誉院長に、日本の現状を伺った。

vol.8_sujikaramiru_03re

 

肺がんや肝がんの治療成績には近年、5~17%の改善が見られる

「ここ50年ほどで医療技術や医師の知識が非常にレベルアップし、がんの治癒率は5割にまで向上しました」と語るのは、大腸がんの権威として、長年、がん治療に携って成果を上げてきた武藤徹一郎先生だ。

現在、がんによる死亡状況は、男性の場合、第1位が肺がん、2位が胃がんで、3位が大腸がん。女性は、第1位が大腸がん、2位が肺がんで、3位が胃がんとなっている。このうち肺がんは、下の図からも分かるように、5年生存率に改善が見られるがん種の1つだ。理由は、治療薬の開発とともに、がん検診の受診率が高まってきていることが挙げられる。がん治療の場合、決め手は、やはり「早期発見、早期治療」に尽きる。

 

vol.8_sujikaramiru_01

 

「レントゲンでは見つかりにくい場合もあるので、2、3年に1度はCT検査を受けるようにしたほうがよいでしょう」

また、がんの原因がある程度特定されることで、治療成績が上がるがん種もあり、当てはまるものに肝がんがある。

「地域差はあるものの、日本では肝がんの原因の90%は、B型、C型肝炎ウイルスといわれています。このウイルスに感染した患者さんの場合、発症を予測して、早期治療に備えることができます」

もちろん、肝がんについても、外科的技術の向上が治療成績向上に貢献していることが下の図からうかがえる。

 

vol.8_sujikaramiru_02

次のページへ

同じシリーズの他の記事一覧はこちら