がん免疫療法Q&A

Q.現在、抗がん剤治療を受けていますが、免疫細胞治療を併用することはできるのでしょうか?

回答者:後藤重則(ごとう・しげのり)
医療法人社団 滉志会
瀬田クリニックグループ統括院長

A.適切な併用で、抗がん剤治療の効果を高めることが期待できます。がんの標準治療と免疫細胞治療の両方に精通した医師のいる施設を選ぶことが重要です

 

 

免疫細胞治療において最も多いのが、抗がん剤治療との併用です。当院に相談にこられる患者さんの中には、「免疫細胞治療が抗がん剤治療の効果を弱めるのではないでしょうか」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、がんへの作用の仕方が違うので、抗がん剤の効果を妨げるようなことはまずありません。

瀬田クリニックグループが、都内7カ所の中核病院とともに行った肺がん(非小細胞肺がん)における生存期間の調査では、抗がん剤単独に比べ、抗がん剤と免疫細胞治療を併用したときのほうが、よい結果が得られています。

 

抗がん剤治療との併用に不可欠な標準治療の知識

ただし、それには「適切な方法で併用する」という条件が付きます。抗がん剤は種類によって、特性や副作用が異なるため、それらを熟知していなければ、正しい併用治療が行えないからです。

患者さんの体内にあるリンパ球などの免疫細胞を強化し、がんと闘う免疫機能を高めるのが免疫細胞治療です。抗がん剤の中には、患者さんのリンパ球を一時的に減少させ、弱めてしまうものもあり、正常に働く免疫細胞を採取するには、抗がん剤の影響の少ない時期に採血しなくてはいけません。

薬が体に影響を及ぼす期間は、抗がん剤によってまちまちで、なかには2週間も免疫の力を弱体化させてしまう薬もあります。その時期に免疫細胞治療を行おうとしても、正常な免疫細胞を採取できないだけでなく、免疫細胞を強化して体に戻したとしてもうまく働かず、治療の効果が得られないのです。また、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体薬)など、使われ始めて間もない薬については、副作用の情報がまだ少ないため、併用可能かどうかについても慎重な対応が必要です。使用する抗がん剤の特性に合わせて、どのように免疫細胞治療を行うか、専門の知識と経験が求められます。このように、免疫細胞治療を行う医師には、免疫の知識だけでなく、がんの標準治療についての知識も必須です。

「心臓にがんができた」というのは耳にしないと思います。一般的に循環器分野が専門の医師の中には、がん治療自体の経験に乏しい医師もいるので、受診の際にはホームページなどで、がんの専門知識や経験が十分にあることを確認してください。

免疫細胞治療と標準治療を併用する場合には、主治医との連携がとても重要です。当院ではどのようなケースでも患者さんと主治医の先生との関係を最優先に考えて、連携を取りながら進めます。

そうした連携をしっかり取ることも、患者さんに安心して治療を受けていただき、結果として治療効果にもつながっていくものと考えます。

 

後藤重則
医療法人社団 滉志会
瀬田クリニックグループ統括院長
ごとう・しげのり●1981年、新潟大学医学部卒業。県立がんセンター新潟病院、帝京大学医学部講師などを経て、1999年、国内初の免疫細胞治療専門医療機関である瀬田クリニックへ。2001年、同クリニック院長。著書に『免疫細胞治療』(共著・河出書房新社)、『自分の細胞で治す 女性が知っておきたい最先端がん治療』(共著・PHP研究所)など。(取材時現在)

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