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iPS細胞への期待を契機に大きな一歩を踏み出した再生医療に関する規制改革とは

「再生医療推進法」で再生医療は国主導の体制に

世界初のiPS 細胞に特化した研究機関である京都大学iPS 細胞研究所。
世界初のiPS 細胞に特化した研究機関である京都大学iPS 細胞研究所。(©京都大学iPS細胞研究所)

2013年4月26日の参議院本会議で、再生医療の実用化に向けての大きな一歩となる「再生医療推進法」が、全会一致で可決・成立した。

「再生医療」が大きく取り上げられたのは2012年秋のこと。京都大学の山中伸弥教授が、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究業績によって、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことがきっかけだった。

再生医療は、病気やケガなどで失われた組織、臓器などの再生を目指すものである。臓器移植と異なり、患者本人の細胞を用いた再生医療は拒絶反応が少ない。とくに、あらゆる細胞への分化が可能とされるiPS細胞には、大きな期待が寄せられている。山中教授を擁する日本の再生医療研究――。「推進法」の成立は、国をあげたバックアップを明確にした格好だ。

これまで再生医療の臨床研究については、国の指針をもとに各医療機関が対応してきたが、推進法の成立により、今後は国の主導のもとで再生医療の実用化に向けての体制を築くことになった。具体的には、研究開発から実用化までの基本方針を国が策定し、財政、税務上の措置、大学など研究機関の助成・環境整備も国が行うことを義務づけたことである。同時に医療関係者、事業者にも協力を求め、研究開発の迅速化を図る方針だ。さらに、基本方針は3年ごとに見直され、状況に応じて更新されるのも大きな特徴といえる。

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