AGA

壮年性脱毛症とは?びまん性脱毛症との違いや原因・男性女性別のセルフチェック方法

40代・50代になって髪のボリュームが減ったと感じる方は、壮年性脱毛症の可能性があります。

本記事では、壮年性脱毛症の特徴や原因、びまん性脱毛症との違い、さらに男女別のセルフチェック方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。

早期発見と適切な対策で、薄毛の進行を抑えることができる可能性がありますので、ぜひ最後までお読みください。

壮年性脱毛症とは?症状の特徴とAGAとの違い

壮年性脱毛症の症状は、徐々に髪が薄くなり、頭頂部(頭のてっぺん)や前頭部(額)から脱毛が始まります。特徴的なのは、部分的に薄くなることで、主に以下のパターンがあります。

M字型
前頭部から真ん中を残すような形で、生え際から後退していきます。額の両サイドが後退し、上から見るとアルファベットの「M」のような形になります。

O字型
頭頂部から頭髪がだんだん薄くなっていき、その後全体に広がっていきます。つむじ周辺が円形に薄くなっていくため、「O」の形に見えます。

U字型
前頭部全体が後退し、上から見ると「U」の字のように見えます。M字型が進行した状態と考えられます。

薄毛パターンは数年〜数十年かけてゆっくり進行するため、初期段階では気づきにくいことがあります。

男性に多く見られる

統計によると、40代で30%、50代以降になると40%以上の男性が壮年性脱毛症に悩まされると言われています。

壮年性脱毛症の主な原因は、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。男性ホルモンの一種「テストステロン」が、体内の還元酵素「5αリダクターゼ」と結びつくことでDHTが発生します。

このDHTが毛根に作用することで、髪の成長サイクルが乱れ、薄毛が進行します。男性ホルモンが主な原因であるため、男性に多く発症しますが、女性でも稀に起こるケースがあります。

髪が細くなりコシが弱くなる

壮年性脱毛症では、髪の毛が抜けるだけでなく、太く長い毛が再生せずに、毛が細く短い毛(軟毛)に置き換わってしまうという変化も起こります。

「軟毛化」により以下のような症状が現れます。
・髪のボリュームが減少する
・髪にハリやコシがなくなる
・スタイリングがしにくくなる
・地肌が透けて見えるようになる

壮年性脱毛症とAGA(男性型脱毛症)の違い

結論から言うと、「壮年性脱毛症=AGA」と考えて問題ありません。

AGAは年齢によって呼び方が区別されることがあり、10~20代の脱毛症を「若年性脱毛症」、30~50代の脱毛症を「壮年性脱毛症」、60代以降の脱毛症を「老人性脱毛症」と呼びます。

つまり、壮年性脱毛症はAGAの中で特に30〜50代の男性を対象とした薄毛の症状を指す言葉であり、原因や治療方法に違いはありません。AGAは男性薄毛の症状全般を指す総称で、壮年性脱毛症はその年代別の呼び名というわけです。

女性に多い?びまん性脱毛症の特徴と女性に多い理由

びまん性脱毛症とは、女性の脱毛症の中で最も発症しやすく、髪全体のボリュームが失われるのが特徴です。

「びまん」とは「一面に広がる」という意味で、男性のように部分的に脱毛が進むのではなく、頭皮全体が薄くなるのが特徴です。

壮年性脱毛症が生え際や頭頂部など局所的に薄くなるのに対し、びまん性脱毛症は以下のような症状が現れます。

びまん性脱毛症の主な症状
・髪の密度が全体的に低下する
・分け目が広がって見える
・頭頂部の地肌が透けて見える
・髪全体がぺたんとしてボリュームがなくなる

髪が細くなりコシが弱くなる

びまん性脱毛症でも、髪質の変化が重要なサインとなります。「髪が細くやせてくる」「短い毛が抜ける」ことも初期の重要なサインです。

・髪の太さが徐々に細くなる
・ハリやコシが失われる
・うねりやすくなる
・切れ毛が増える

全体が徐々に薄くなっていき、気づいたときにはかなり進行しているケースもあります。

女性に多く見られる理由

びまん性脱毛症は女性に多いです。その理由は、女性ホルモンのバランスが変化しやすいことや、生活習慣の影響を受けやすいからです。

女性は妊娠や出産、月経、さらには更年期など、人生の中で何度もホルモンバランスが大きく変わります。特に更年期には、30代後半から40代にかけて女性ホルモンの分泌が減少し、髪の毛が細くなったり抜け毛が増えたりします。

ストレスや無理なダイエット、偏った食生活なども原因となります。また、過度なストレスや睡眠不足、カラーやパーマのしすぎも頭皮や髪に負担をかけ、びまん性脱毛症のリスクを高めます。

ただし、男性でもびまん性脱毛症になる可能性はあります。生活習慣や加齢などさまざまな原因から男性でもびまん性脱毛症になる可能性はあります。

壮年性脱毛症とびまん性脱毛症の違いを比較

壮年性脱毛症・主に男性ホルモン(DHT)が原因
・遺伝的要因、男性ホルモンの影響が大きい
・5αリダクターゼという酵素の活性度が遺伝で決まる
びまん性脱毛症・ホルモンバランスの変化や頭皮への血流不足、栄養不足など
 さまざまな要因が重なることで髪の成長に支障をきたし、抜け毛が増える
・女性ホルモンの減少
・ストレス、栄養不足、血行不良など複合的な要因

症状の出方の違い

壮年性脱毛症・頭頂部(頭のてっぺん)や前頭部(額)から脱毛が始まります
・M字、O字、U字型など特定のパターンで進行
・側頭部や後頭部の髪は比較的維持される
びまん性脱毛症・頭部全体の髪の毛が細くなり、ボリュームが減少する
・分け目が広がり、全体的に地肌が透ける
・特定の部位ではなく全体的に薄くなる

進行の仕方の違い

壮年性脱毛症・数年〜数十年かけて段階的に進行
・特定部位から徐々に範囲が広がる
・進行パターンが予測しやすい
びまん性脱毛症・比較的均等に髪が細くなって全体的に薄くなる
・頭部全体の薄毛が徐々に進行するため、気付くのが遅れるケースも少なくありません
・進行が緩やかで初期は自覚しにくい

性別による傾向の違い

男性の傾向・壮年性脱毛症が圧倒的に多い
(男性薄毛の95%)
・30〜50代で発症することが多い
・遺伝的要因が強く影響
女性の傾向・更年期以降(40代後半〜)に増加
・ホルモンバランスの変化が大きく影響
・女性でも壮年性脱毛症(FAGA)になることもある

壮年性脱毛症の知っておきたい予防のポイント

・生活習慣を整えて髪の健康を守る
・頭皮ケアで抜け毛を防ぐ
・髪や頭皮に負担をかけない工夫
・早めのチェックで進行を抑える

生活習慣を整えて髪の健康を守る

髪の健康には、特に以下の栄養素が重要です。
タンパク質
髪の主成分であるケラチンの材料(肉、魚、大豆、卵など)
亜鉛
髪の成長に必要なミネラル(牡蠣、レバー、ナッツ類など)
ビタミンB群
髪の代謝を促進(豚肉、納豆、まぐろなど)
鉄分
血液を通じて栄養を運ぶ(レバー、ほうれん草、ひじきなど)

十分な睡眠も大切で、成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、1日6〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。特に22時〜2時のゴールデンタイムは重要です。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れることで、細胞分裂に支障を来し、壮年性脱毛症のリスクを増すこととなるため、ストレス管理として適度な運動や趣味でストレスを解消しましょう。

頭皮ケアで抜け毛を防ぐ

正しいシャンプー方法
①ぬるま湯(38〜40度)で予洗いする
②シャンプーは手で泡立ててから頭皮につける
③指の腹で優しくマッサージするように洗う
④しっかりとすすぐ(すすぎ残しは頭皮トラブルの原因)

血行促進のため、1日5分程度の頭皮マッサージを習慣化しましょう。指の腹で円を描くように優しくマッサージします。

頭皮環境を整える育毛ローションの使用も効果的です。ただし、医薬部外品や化粧品は予防目的であり、治療効果は期待できません。

髪や頭皮に負担をかけない工夫

ドライヤーの使い方
・髪から20cm以上離して使用
・同じ場所に長時間当てない
・温風と冷風を使い分ける
・8割程度乾いたら自然乾燥

パーマやカラーリングも頻度を最小限に抑える(2〜3ヶ月に1回程度)工夫が大切です。頭皮への刺激が少ない薬剤を選ぶ、施術後は保湿ケアを徹底するようにしましょう。

早めのチェックで進行を抑える

定期的なセルフチェックと、気になる症状があれば早期に専門医に相談することが大切です。壮年性脱毛症は進行性の疾患なので、早期発見・早期治療が重要です。

男性に多い壮年性脱毛症のセルフチェック方法

・生え際の後退を鏡でチェック
・頭頂部の薄さを写真で比較する
・シャンプー時の抜け毛の量を確認する
・髪の太さやコシの変化を触って確認する

生え際の後退を鏡でチェック

毎日鏡で前髪の生え際を観察しましょう。特に以下の点に注意してください。

・おでこの広さが以前より広くなっていないか
・M字ラインが深くなっていないか
・生え際に産毛が増えていないか

チェック方法

  1. 鏡の前で髪を上げて生え際を確認
  2. 眉毛から生え際まで指何本分か測る
  3. 月1回写真を撮って記録する

頭頂部の薄さを写真で比較する

頭頂部は自分では見えにくいため、以下の方法でチェックします。

  1. スマートフォンで頭頂部を撮影
  2. 明るい場所で同じ角度から撮る
  3. 月1回定期的に撮影して比較
  4. つむじ周辺の地肌の見え方をチェック

シャンプー時の抜け毛の量を確認する

毛髪は1本1本ヘアサイクルの期間や時期が異なり、脱毛の時期がランダムにずれるため、通常でも1日50〜100本程度は抜けます。

注意が必要なケース
・明らかに抜け毛が増えた(150本以上)
・短い毛や細い毛が多く混じっている
・毛根が細くなっている

髪の太さやコシの変化を触って確認する

髪質の変化も重要なサインです。

  1. 髪を指でつまんで太さを確認
  2. 髪を持ち上げてコシを確認
  3. 以前と比べて柔らかくなっていないかチェック
  4. 側頭部と頭頂部・前髪の髪質が違う場合は要注意

女性に見られる壮年性脱毛症のセルフチェック方法

・分け目が広がっていないかを確認する
・ヘアボリュームの減少を日常でチェックする
・シャンプー時の抜け毛の量を確認する
・髪の太さやコシの変化を触って確認する

分け目が広がっていないかを確認する

髪を真っ直ぐ分けて鏡で見たとき、地肌の見え方が以前より広がっていないかを確認することが大切です。

チェックポイント

  • 分け目の幅が広がっている
  • 地肌が目立つようになった
  • 分け目がくっきりと見える
  • 髪が薄く透けて見える

ヘアボリュームの減少を日常でチェックする

日常生活の中で以下の変化に注意しましょう。

  • ヘアゴムを巻く回数が増えた
  • 朝のセットがしにくくなった
  • 髪を結んだときの束が細くなった
  • トップのボリュームが出にくい

髪質の変化(細さ・ハリ・コシ)を感じ取る

ドライヤーやブラッシング時に、髪が細くなり全体にコシがなくなっていないかをセルフチェックすることが重要です。

以下の症状に注意
・髪が絡まりやすくなった
・うねりが増えた
・ツヤがなくなった
・手触りが柔らかくなりすぎた

抜け毛の量を洗面所や枕元で確認する

女性の場合も、抜け毛の量と質をチェックすることが大切です。

  1. 洗面台の排水口:シャンプー後の抜け毛量をチェック
  2. 枕カバー:朝起きたときの抜け毛を確認
  3. ブラシ:ブラッシング後の抜け毛を観察

抜け毛の中に短くて細い毛が多くなった場合は、壮年性脱毛症の可能性があります。

壮年性脱毛症にできる対策と治療法

内服薬と外用薬で行う薬による治療

内服薬

  1. フィナステリド(プロペシア)
    • 薄毛の原因とされるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制し、薄毛の進行を防ぐ効果が期待されています
    • 男性専用の治療薬
    • 1日1回の服用
  2. デュタステリド(ザガーロ)
    • フィナステリドより強力にDHTを抑制
    • 5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の両方に作用する
    • 男性専用の治療薬

外用薬

ミノキシジル

  • AGA(男性型脱毛症)、及び女性の薄毛(壮年性脱毛症)の治療薬として厚生労働省から承認を受けています
  • 日本では男性用は5%、女性用は1%の濃度
  • 血管拡張作用により発毛を促進

食事や睡眠、ストレス対策で生活習慣を見直す

髪に良い食事

  • タンパク質豊富な食材:鶏肉、魚、大豆製品、卵
  • 亜鉛を含む食材:牡蠣、レバー、チーズ、納豆
  • ビタミンB群:豚肉、まぐろ、バナナ、ナッツ類
  • 鉄分:赤身肉、ほうれん草、プルーン

質の良い睡眠のポイント
①就寝3時間前までに夕食を済ませる
②入浴は就寝1〜2時間前
③スマートフォンは就寝1時間前から見ない
④室温を適切に保つ(夏25〜28度、冬18〜22度)

ストレス解消法

  • 週2〜3回の有酸素運動
  • ヨガや瞑想
  • 趣味の時間を作る
  • 友人や家族との交流

クリニックで受けられる施術で薄毛を改善する

  • 自毛植毛
    自分の後頭部などから毛根を移植する治療法。効果は永続的ですが、費用が高額です。
  • 低出力レーザー治療
    頭皮に低出力レーザーを照射し、血行を促進する治療。痛みがなく副作用も少ないのが特徴です。
  • メソセラピー
    頭皮に直接、発毛に必要な成分を注入する治療法。効果が高いとされていますが、定期的な通院が必要です。

ヘアスタイルで見た目を工夫する

薄毛が目立たないヘアスタイルの工夫

男性向け・ソフトモヒカン
トップを立たせてボリューム感を演出
・ツーブロック
サイドを短くしてトップとのメリハリをつける
・ベリーショート
全体的に短くして薄毛を目立たなくする
女性向け・ショートボブ
軽さを出してふんわり感を演出
・レイヤーカット
段差をつけて立体感を出す
・パーマ
ゆるいパーマでボリュームアップ

壮年性脱毛症によくある質問

壮年性脱毛症は遺伝で決まるのか

壮年性脱毛症には遺伝が関与すると考えられており、壮年性脱毛症発症の原因遺伝子としていくつかの遺伝子の関与が考えられています。

ただし、遺伝は大きな要因の一つですが、それだけで決まるわけではありません。生活習慣やストレス、加齢なども影響するため、遺伝的要因があっても必ず発症するわけではありません。

壮年性脱毛症は自然に治りますか?

残念ながら、壮年性脱毛症が自然に治ることはほとんどありません。壮年性脱毛症の症状は一般的に加齢と共に深刻化していくと考えられています。

進行性の疾患であるため、放置すると症状が悪化する可能性が高いです。早期の治療開始が重要です。

市販の育毛剤やシャンプーの効果は?

市販の育毛剤やシャンプーは、頭皮環境を整えるサポートにはなりますが、発毛効果はあまり期待できません。

  • 育毛剤(医薬部外品):抜け毛予防や頭皮環境改善の補助的役割
  • 育毛シャンプー:頭皮を清潔に保つ効果はあるが、発毛効果はない
  • 発毛剤(医薬品):ミノキシジル配合のものは効果が期待できる

女性でも壮年性脱毛症になりますか?

壮年性脱毛症は男性に多く見られますが、近年では女性も発症する可能性があるとされています。女性の場合は「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれることもあります。

閉経に向かう40代後半以降の女性で、女性ホルモンが著しく減少する際に前頭部や頭頂部から薄毛が広がるケースがあります。ただし、一般的にはびまん性脱毛症の方が多いです。

何歳ごろから壮年性脱毛症が始まるのか

個人差はありますが、早い人では20代後半から、多くは30代〜40代で気づくことが多いです。男性の場合は20代後半から30代から始まり、徐々に症状が進行します。

各年齢での発症頻度は、20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40%と歳を重ねるごとに高くなります。

壮年性脱毛症とは男性に多い薄毛症状!早めの対策で髪を守ろう

壮年性脱毛症は、30〜50代の男性に多く見られる進行性の脱毛症です。主な原因は男性ホルモン(DHT)と遺伝的要因ですが、生活習慣も大きく影響します。

生え際や頭頂部から薄くなるのが特徴で、M字型、O字型、U字型といったパターンで進行します。一方、女性に多いびまん性脱毛症は、頭髪全体が均等に薄くなるという違いがあります。

壮年性脱毛症は自然に治ることはほとんどなく、放置すると進行してしまいます。しかし、現在は効果的な治療法も確立されており、早期に適切な対策を取ることで、進行を遅らせたり改善したりすることが可能です。

薄毛の症状に気づいたら、恥ずかしがらずに専門医に相談しましょう。あなたの髪の健康を守るために、今日から始められる予防法を実践し、必要に応じて適切な治療を受けることが大切です。

髪は見た目の印象を大きく左右する大切な要素です。壮年期を迎えても、適切なケアと治療で健康な髪を維持することは十分可能です。自分の髪の状態をしっかりとチェックし、早めの対策で豊かな髪を守っていきましょう。

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