3分でわかる免疫細胞療法(めんえきさいぼうりょうほう)

免疫細胞療法5つのポイント
  • もともと人間に備わっている”免疫”を利用したがん治療法
  • 特殊な技術で、患者さんの免疫細胞を増やし、免疫力を強くする
  • 副作用は殆どないし、再発予防も期待できる
  • 3大療法(手術、抗がん剤、放射線治療)と一緒に受けると、より効果が期待できる
  • 免疫細胞療法はいくつか種類があり、自分に合った治療を選ぶ「検査」がある

人は、なぜ「がん」になるのか

人間のからだはたくさんの細胞からできています。がん細胞は、たばこや紫外線など、からだに有害な物質の影響によって、正常な細胞の遺伝子に傷がついて生まれる異常な細胞です。がん細胞がさらに増え、大きな塊になってしまうと、病気の「がん」になります。がん細胞は、無秩序に増え続け、周囲の組織を壊したり、臓器の障害を引き起こしたりします。

がん細胞を撃退する「免疫」の力

実は、がん細胞は、私たちの体の中で日々生まれていると言われています。しかし、その悪い細胞を、私たちのからだに生まれながらに備わった「免疫」という力が撃退してくれているので、健康を維持できているのです。

逆に免疫力が下がった状態が続くと、がん細胞を撃退しきれなくなり、がんを発症してしまう場合があります。また、いったんできたがん細胞は、自分の身を守るために、免疫の働きをさらに弱らせてしまうことが分かっています。これががんの進行や再発の一因となると考えられています。

3大療法との併用で効果向上が期待

そこで、患者さんの弱った免疫力を再び高めることで、がんを治療しようという発想から生まれたのが「免疫細胞療法(めんえきさいぼうりょうほう)」です。免疫力の主役であるリンパ球などの免疫細胞を、患者さんの血液中から取り出して、体外で増殖・活性化・強化します。そして、再びからだの中に戻すことによって、体内の免疫力を強化するのです。

治療は注射や点滴といった簡便な方法により、外来通院で受けることが出来ます。また、患者さん自身の細胞を使うため、大きな副作用は殆どみられません。
全身の免疫に働きかける治療なので、一部の血液のがんを除いて、どの部位のがんに対しても行うことができます。特に、全身に散らばった微小ながん細胞の攻撃が得意なため、再発予防にも有用です。手術のあとに行う再発予防目的の抗がん剤治療に免疫細胞療法を併用すると、しない場合に比べて再発率を約半分に減らせたという研究結果も出ています。

私たちが風邪をひいた時に飲む風邪薬は、熱や咳などの症状を抑えますが、実際にウィルスや病原菌をやっつけて風邪を治しているのは、からだに備わった免疫のちからです。これと同じで、がん治療においても、私たち自身の免疫のちからが大変重要です。
これまで免疫細胞療法は上記の3大療法に次ぐ“第4の治療法”というイメージがありましたが、がんの治療においては、患者さん自身の免疫状態を正常に戻すことが治療の効果に大きく影響することから、最近では早期から、3大療法と併用することで全体の治療効果を高めるものという認識に変わってきました。

大事なことは自分に合った免疫細胞療法の選択。そのためには、治療前に免疫機能の検査を。

免疫細胞療法の種類は、大きく分けると免疫の攻撃力を高める「活性化自己リンパ球療法」と、免疫の司令塔を作って効率よく攻撃させる「樹状細胞ワクチン療法」の2つです。さらに活性化自己リンパ球療法に関しては「アルファ・ベータT細胞療法」「ガンマ・デルタT細胞療法」「NK細胞療法」「NKT細胞療法」など、利用する細胞の種類によって分かれます。

と、こんなに種類があると、どの免疫細胞治療がいいのかわかりませんよね?

実は、人によってがん細胞の特徴も、免疫の状態も異なるものなのです。つまり万人に適した治療法というものがあるわけではないことを知っておく必要があります。
自分に合った免疫細胞療法を知るには、専門の医療機関で事前に検査を受ける必要があります。患者さんそれぞれが、自分のがんはどういう特徴があるのか、自分のからだの免疫状態はどうなのか、を調べたうえで、自分にとってベストな治療法を選択してください。

免疫細胞療法はどこで受ける?

免疫細胞療法は、まだ公的保険が適用されていない新しい治療なので、どこの医療機関に行っても受けられるというものではありません。
先進医療や臨床研究として免疫細胞療法を行う大学病院などの施設で受けることができますが、対象となるがんの種類など、条件がたくさんあるので治療を受けられる患者さんは限られてしまいます
※先進医療・臨床研究の募集状況や参加条件は、それぞれの施設に確認が必要です。

そのため、保険外診療(自費診療)として治療を提供する民間の医療機関が増え、全国で免疫細胞療法が受けられるようになってきました。2014年には「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行され、免疫細胞療法を行うすべての医療機関は、厚生労働省への届け出が義務付けられています。

このように患者さんが安心して免疫細胞療法を受けられる環境が整いつつあります。

当サイトでも、免疫細胞療法が受けられる医療機関をご紹介していますので、お近くの医療機関をチェックしてみて下さい。

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