がん時事通信

抗ガン剤治療に伴う頭髪の悩みをサポート クラウドファンディングで医療用ウィッグの写真集も発行しました

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理美容の観点から、がん患者の気持ちをサポートする「ふくりび」

医療技術の進化で多くのがん治療法が確立されつつある昨今だが、一方でがん患者が日常生活に不便を強いられる場面があることは否めない。
代表的なものが、抗がん剤治療の副作用によるもの。とりわけ、頭髪の「脱毛」は治療を受ける患者にとって深刻な問題だ。周囲の目が気になる、闘病中であることが知られ精神的な負担を感じるなど、QOL(生活の質)を著しく低下させてしまう。

こういった、抗がん剤治療にまつわる頭髪、身だしなみをサポートするのが、「NPO法人 全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)」だ。「誰もがその人らしく、美しく過ごせる社会の実現を目指して」を理念に、理美容の力で人々を元気に、笑顔にするための活動を20年にわたり行っている。

「愛知県日進市でサロンを営む理事長の赤木勝幸が、開業時から近隣の介護施設などで訪問理美容を始めたのがきっかけで、2007年にNPO法人化しました」と話すのは、岩岡ひとみ事務局長。今日に至るまで、高齢者・障害者などの介護施設・自宅への訪問理美容を中心に、訪問理美容を行う福祉理美容専門理美容師の養成及びコンサルティング、知的障害者の身だしなみ支援などを展開し、介護施設の利用者・入居者を対象にした「ビューティキャラバン」は、2009年から毎年開催する大イベント。ファッションコーディネイト&ヘアメイクをした高齢者をプロカメラマンが撮影するという取り組みは、好評を博している。

5年前から始めているのが、がん患者・脱毛症患者向けの医療用ウィッグの製造・販売事業だ。利用者の9割が女性で、30~40代の子育て世代の利用が多くを占めている。
「『脱毛で悩んでいる方にウィッグを作れないか』と訪問先の看護師から相談を受けたのが発端です。そこで既存の医療用ウィッグをリサーチしたのですが、高額であったり、低価格であっても品質が良くないなど、容姿について心を痛め、医療費も負担している患者様にお勧めできるものはありませんでした。ならば、理美容のプロとして、こういった悩みに応えたいと考え製造・販売に踏み切ったのです」
こだわったのは、人毛100%で不自然さはなく、パーマやカラーができるということ。耐久性にも配慮し、300回のシャンプーテストも実施した。「毎日洗っても1年近く、週3回程度の洗髪を推奨していますから、途中で買い変えることなくご利用いただけます」。

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