がん時事通信

『プロが教える抗がん剤治療中のケア』を瀬田クリニック新横浜で開催 抗がん剤治療中のメークや頭髪ケアをアドバイス

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がんの治療法は、腹腔鏡手術や分子標的薬など従来の治療に比べて低侵襲(体に負担が少ない)なものが登場し、普及しつつある。一方で、体に残った手術痕、あるいは脱毛や皮膚や爪の変色・変形など、治療の副作用による外見の変化に悩む患者さんはまだまだ少なくない。「手術痕が気になって温泉に入ることができない」「脱毛で人に会うのが嫌になった」というように、QOLに深刻な影響を及ぼすこともあるようだ。だが、がん治療後・治療中の日常ケアについての情報は少なく、専門家からのアドバイスに対するニーズは高い。

そこで、国内初のがん免疫細胞治療専門医療機関として知られる「瀬田クリニックグループ」の「瀬田クリニック新横浜」は12月12日(土)、『プロが教える抗がん剤治療中のケア』と銘打ったイベントを同クリニックで開催。治療中のがん患者さんやご家族が参加した。

この日集まったのは、瀬田クリニック新横浜で免疫細胞治療を受けている方も含め、日常のケアにお悩みの、がん患者さんやそのご家族など。イベントの冒頭では、伊藤一美看護師長が同クリニックで実施している、患者さんご自身の免疫細胞を強化してがんを抑えこもうとする「免疫細胞治療」について紹介。「樹状細胞ワクチン療法」や「アルファ・ベータT細胞療法」「NK細胞療法」といった治療の具体的な受診の手順について触れた。

「免疫細胞治療は体に負担が少ない治療で、標準治療と併用して進行を抑えたり、再発予防を目的に選択する患者さんもいます」と、伊藤看護師長は述べた上で「情報を集め、豊富な選択肢のなかから治療法を選ぶことが、がん治療においては大事です」と締めくくった。

外見変化を目立たなくする「カバーメーク」を紹介

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続いて講演したのは、東京大学医学部附属病院乳腺内分泌外科の分田貴子医師。カバー効果の高いクリームやファンデーションなどを使うことでアザやシミといった気になる部分を目立たなくさせる化粧技術、「カバーメーク」の普及に力を入れている。

分田医師は、治療による脱毛や顔色のトーン変化などの悩みについてアドバイスする「カバーメーク・外見ケア外来」を開設するほか、複数のウィッグを比較しながら試すことができる「ウィッグ展示・試着会」や、乳がん術後の下着類を相談できる「女性患者さんへの外見ケアの会」も同病院で定期的に実施している。いずれの会でも、メーク相談やネイルケア、ハンドマッサージなどが行われている。

「外見変化よりも命のほうが大事」という患者さんがいる一方、多くの患者さんが「本当は気になっている」「半袖を着ることができない」「温泉やプールに出かけられない」など切実な問題に直面している声を聞き、何か隠せる手段はないかと模索していたところ、カバーメークに辿りついたそうだ。

「取り扱いは簡単ですし、耐水性があることでお風呂やプールでも落ちることはありません。現在は、そういったクリームも市販されています」(分田医師)

手術痕や接種痕、顔色のトーン変化、シミなど、悩みごとにカバーメークの実例を、写真とともに紹介した。使用する製品の肌への影響を心配する声もあるようだが、基本的に長時間使うことを前提としていることと、ある程度お肌の状態が良くない部分に使うことを前提としているため、一般的な製品より低刺激なのが特徴だとのこと。「子どもと一緒にお風呂に入れるようになった」「外出先でも気にならない」といった反響があったそうだ。

まゆ毛の脱毛の悩みに対しては「自分が一番描きやすい硬さのものを選び、茶系色やグレーなど淡い色から試していきましょう」とまゆ毛の描き方を含めアドバイス。
爪へのダメージに対するケアに関しても、爪やすりやネイルオイルの使用、短くしすぎないのがポイントと解説し、「100円ショップで売っているネイルシールも便利です。抗がん剤治療中は、どうしても匂いに敏感になるため、ネイルカラーを塗りたい場合は、匂いが少ないもの、爪への負担が少ないものを選ぶようにしましょう。除光液を使わずにアルコール綿で落とせる水ベースのネイルカラーも出ています」とアドバイス。参加者の多くは女性だったこともあり、これには納得の雰囲気だった。

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