私たちの体の中には、まだ眠っている力がある。自然の中で生きる知恵、問題を解決する力、自分の体を癒す力も含まれているはずです。
手術や治療の心配より、術後の楽しみを考えた。「仲間とゴルフをして、レースにも出よう。目標とする日にちまで決めて、それを実行しました。まだ術後の傷が癒えない中でのゴルフでしたが、スコアはハーフ39。森本毅郎さんからは『手術したって、うそじゃないの』とからかわれましたよ」
がんになったら、まず、治療後の明るい人生をイメージすること
がん告知から6年以上が経過し、今、清水さんは再発もなく、元気に暮らしている。息子は7歳になり、魚の釣り方や火のおこし方など、サバイバルに生きる術をいろいろと教えてきた。また、自他ともに認める肉食で、週に3度、1ポンドステーキを食べることは、がんを患う前と変わらない。「がんは怖い」というイメージを払しょくし、生きたいように生きてきたことが、元気の要因ではないかと、清水さんは分析する。
「がん検診についても、『がんは怖い病気だから検診しましょう』という提案の仕方はやめたほうがいいと思う。『怖い』と思うから、告知されたときの衝撃が大きいのです」
検診のイメージを「早期に発見して治療し、その後の充実した人生につなげるためのもの」というふうにすれば、もっと明るい気持ちで検診に臨めるのではないかというのが清水さんの提案だ。
そんな清水さんが、現在、力を入れているものの1つに、湖や無人島での体験ツアーがある。参加するのは東日本大震災の被災地の子どもたちから、サラリーマンまでいろいろな年代層。だが、そこでの暮らしを終えると、みんなが自然の力に畏敬の念を抱くようになる。そんなことも想定して、清水さんは無人島に「ありが島」という名前を付けた。今後は、男女が出会う婚活ツアーも計画中で、舞台となる無人島には、「おめで島」と命名しようと決めている。
アイデアあふれる清水さんの多毛作人生は、がんという病にも阻まれることなく、これからも続いていく。