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樹状細胞の発見者スタインマン教授ら免疫学者3人がノーベル生理学・医学賞受賞

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異物を攻撃する際の強力な「司令塔」を発見

2011年のノーベル生理学・医学賞を3人の研究者が受賞した。この賞は「生理学および医学の分野で最も重要な発見」をした研究者に贈られる。受賞したのはアメリカ・ロックフェラー大学のラルフ・スタインマン博士、同スクリプス研究所のブルース・ボイトラー博士、元フランス国立科学アカデミー議長のジュール・A・ホフマン博士。

3人の研究分野は奇しくも同じ免疫学で、スタインマン博士は「獲得免疫における樹状細胞とその役割の発見」、ボイトラー、ホフマン両博士は「自然免疫の活性化の発見」が評価された。

免疫とは、人がウイルスや病原菌に感染した際の防御システムのことで(P12)、「自然免疫」と「獲得免疫」がある。自然免疫は、体内に病原菌やウイルスが侵入した際、白血球の好中球などが異物を攻撃する一時的なシステムだ。それに対し獲得免疫は、出会った異物を記憶し、二度目から即座に攻撃を行う。じつは、その攻撃すべき異物の情報を、実際の攻撃部隊(T細胞など)に伝える「司令塔(抗原提示細胞)」が重要で、従来からマクロファージ(大食細胞)などが知られていた。

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スタインマン博士が1973年に発見、命名した「樹状細胞」は、それよりも強い抗原提示能力をもつ新しいタイプの細胞だった。この発見によって、樹状細胞が免疫細胞の働きを適切に調節することがわかり、例えば免疫系の活性化によるがん治療など、新たな治療法の開発が可能になった。

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