がんと食

治療中の味覚変化には「基本味」以外の「美味しさ」もプラスする

がんの治療中に、味覚変化を起こす患者さんがいらっしゃいます。これは、抗がん剤などの影響で、味覚伝導路に神経障害が起きたり、味物質を受け取る味蕾細胞の機能が低下するためとされています。残念ながらこの症状は、食事療法では治りません。ただし、抗がん剤治療が終われば、多くの場合、2〜3カ月で味覚は元に戻りますので安心してください。

味覚変化のために食欲がなくなり、食事の量が減ると、栄養が不足して体力が低下する恐れもあります。そうならないための食事づくりとして効果的なのは、塩味・甘味・旨味・酸味・苦味といった「5つの基本味」と「味以外の美味しさの要素」を組み合わせるなどして、味のパターンを増やし、患者さんに食べ比べをしてもらうことです。

 

美味しさの要素

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味覚変化の症状は、「本来の味と異なって感じる」、「味を強く感じる」、「味を感じにくい」など、個人で異なる上、治療によって苦手な味の種類が変わる場合もあります。ですから、今回紹介するレシピのように、患者さん自身が味を選べるメニューにして、美味しいと感じる味、違和感がある味を見つけ出すことが大切です。

また、患者さん側も、食事を作るご家族に対し、ただ「まずい」「欲しくない」というのではなく、食べられない理由について、具体的に伝えることが重要です。

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