がんと食

吐き気や嘔吐による食欲不振がみられる場合は香りを抑えたさっぱりメニューを少量ずつ!

当院の調査では、がん患者さんの約6割に治療中、食欲不振がみられ、その一番の理由は吐き気や嘔吐でした。主な原因は、抗がん剤治療によって血中に生じる化学物質の影響や、放射線治療による消化管細胞の破壊、また、以前の治療時の吐き気や嘔吐の経験がよみがえり、不安に襲われるなどが挙げられます。吐き気や嘔吐を繰り返すと、栄養摂取が困難になるだけでなく、水分や電解質も失われてしまいます。

注意すべき点は、「香り」と「量」。特に香りは、吐き気を誘引しやすいので、不快な香りは避けたり、冷まして香りをたたせないといった工夫が必要。ゼリーやそうめんなど、さっぱりしていて、喉越しが良く消化の良いものがおすすめです。消化が悪いものを多く摂るともたれが生じたり、胃液分泌の過剰による不快感から吐き気をもよおすこともあります。

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また、ご家族は患者さんに良かれと思い、少しでも多く食べさせようとしがちですが、食べたくても食べられない患者さんからすれば大変つらいことです。食事時間も1日3回と決めず、患者さんが食べられるときに少量でも口にするということが大切です。気分の良いときに、1口でもつまめるようなおにぎりなどを常備しておくといいでしょう。栄養を摂らせようとしてボリュームを多くすると、見た目で食欲がなくなることもあるので、作る側も、「食べたいときに食べられる量で」というくらいの気楽さで対応しましょう。

また、食事量が少ないために食べ物からの水分が十分に補給ができなかったり、嘔吐によって水分と電解質が失われる際は、イオン飲料やスープなどや、市販の経口補水液を利用しても良いと思います。

吐き気や嘔吐の症状は、投薬後、2~3日くらいが強く、その後は少しずつおさまりますので、食べられない時期は、可能な範囲で構いません。症状が強いときは、制吐剤なども活用しながら、上手に付き合うことが大切です。

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